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Silver Bullets Association (テクノロジー犯罪対策)

テクノロジー犯罪及び集団ストーカー撲滅のためのブログです。 立ち上がった被害者と非被害者の一人一人が、この悪魔にとどめをさす銀の弾丸であると信じています。

雇用保障による完全雇用政策

第1回「劇場型政策決定システム」http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-91.html  
第2回「税と社会保障(前)」 http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-92.html   
第3回「税と社会保障(後)」 http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-93.html 
第4回「安全保障政策(前)」 http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-101.html
第5回「安全保障政策(中)」 http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-102.html
第6回「安全保障政策(後)」 http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-103.html

「市民による市民のための政治」の第7回、経済政策(1)です。

現在、新政権によって、成長と分配の良循環を目指す
「新しい資本主義」が訴えられています。
しかし、今までの政府の経済政策と大差ないという意見もあります。
私たちにとって現実的なオルタナティブの経済政策は何か、それがテーマです。

既に第2回~3回で、税制と社会保障政策についてある程度見ましたが、
ここではより広く経済政策について考えてみます。

このブログで何故このような政治の話を扱うかについては第1回をご覧ください。
長い記事ですが、経済は関心のある方も多いトピックですし
少しずつ気楽に読んでいただければと思います。

日本経済の課題と強み

現在の日本経済の課題を挙げてみますと
・バブル崩壊後30年にわたり長期的に経済成長に乏しい
(新興国だけでなく多くの先進国と比較しても低成長)
・少子高齢化という労働力減少、需要不足と、財政赤字という制約を抱えている
・非正規労働が拡大し、平均給与が減少し、格差が拡大しているという実態
・天然資源に乏しい(といわれている)
・イノベーションが起きていない、生産性の伸び悩みがある
・内向き?(外国人労働者、移民の受け入れには抑制的であり、英語力は高くない)
といったことがあるでしょうか。
また、万国共通の要素として、カーボンニュートラル達成という制約があり
さらに現在は新型Covid-19による活動制約とダメージがあります。

一方の、日本経済の強みは
・未だに世界第3のGDPと大きな国内市場を持っている
・国際競争に耐えて工業品やサービスを輸出のできる技術力
・紛争やテロに巻き込まれず、安全で、治安も悪くないと言われる
・全体的に高い教育を受けた質の高い勤勉な労働力が存在する

といったところでしょうか。もちろん異論もあるでしょう。

より広い立場を取り入れた実現可能な政策を
資本主義経済ですので、基本的にどの党が政権をとっても
企業と生活者は自分のために粛々と経済活動をするだけです。
しかし政府の経済政策は、法規制や税制、財政支出、公的セクターの活動など
少なからず企業活動と経済全体に影響を及ぼし、
国民もまた政府の経済政策、景気対策にある程度期待しています。

これを、政策を行う側から見た場合
政府が経済に対して何でも思うようにできるわけではないので
政治的に「具体的にできること」を通して影響を与える、
その具体的なこととは何か? 
例えば法律とか制度とかの形に落としていかないと
提案なき現状批判になってしまうかもしれません。

しかし、抽象論ではなく具体的で生々しい経済政策の話になると
人々は「自分の立場」とその利益を強化する経済政策を基本的に支持します。
各政党の政策もそれぞれの「支持層の立場」に立って作っていると言えるでしょう。
「全ての人間はセルフィッシュである」それが政治の第一原則であると思います。

例えば、自民党が企業経営者側に有利になるように政策を作ったり
共産党は官業や中小企業の被雇用者を意識して政策提案することがあるでしょう。

逆に支持層の立場ではない人の利益について質問されると、
例えば、自民党議に格差解消の手段について尋ねたり
共産党議員に年功序列賃金制度の弊害について尋ねると
もしかしたら、もごもごと一般論しか言わないかもしれません

企業経営者からしたら、どの企業も自企業がもらえる補助金は「よい補助金」で
法人税負担や、やっかいな解雇規制などの「成長を妨げるもの」も少ない方がよく
自企業を守る規制は「必要な規制」で、そうでない規制は「撤廃すべき規制」で
それがその企業と日本経済を成長させる「正しい経済政策」になるかもしれません。
 
被雇用者、生活者からすると
低収入層にとっては、最低賃金はより高い方が正しく
消費税は減税して、代わりに法人税を上げて家計を温めたり
派遣法も改正し解雇規制も守って雇用を安定化させることが正しく
様々な理由で人々にお金を給付して内需を増やすことが
「正しい経済政策」になるかもしれません。

「労働者」とひとくちに言っても
原発労働者と再生エネルギー分野で働く人は別の利害を持つかもしれません。
保育業界で働く人も、公立保育園と民営保育園の従業員では別の利害を持ち
正規職員とパート職員では別の利害をもつかもしれません。

すると、相反する立場からの「正しい経済政策」だらけになってしまい
政党間の議論も、支持層との関係に目が向き、その文脈で他党の政策を批判する
それはそういうものなので仕方がないですが、それが行き過ぎると
互いに議論にならない個別の主張だけが複数存在しかみあわない
そんな印象をもっている方も少なくないのではないでしょうか?

私がよく感じることの一つは、その一つ一つの主張は全体の政策として
整合性がとれた現実的、具体的なものになっているのだろうかということです。

仮に、経営者側の利益を一番に考えている政策立案者が
「失業者の生活なんて経済成長に関係ないからどうでもいいよ」と考えていたり
生活困窮者などの弱者を助けることこそ政治の仕事であると考える政策立案者が
「企業の生産性だの輸出だのは財界の人間が勝手に考えればいいよ」と思っていると
全体の政策としては欠けてしまうかもしれません。

個人がそう思っているだけでなく
「弱者を守る」はずの政党は、企業の生産性向上のための政策なんて出してはいけないし
「小さな政府を訴える」政党が、政策実現のために増税案なんて出せないし、
「富裕層に支持されている」政党は、富裕層に対する課税強化なんてやっていいはずがない、
そんなことしたら「支持層の人たち」に怒られてしまう、という具合に決めてしまうと
整合性のとれた広く日本人全体のための政策が永久に作れないかもしれません。

いや、だから各政党が社会の各層を代弁し、
それを国会で議論することで合わせているんじゃない、と思うかもしれませんが
しかし国会で「議論」しているのでしょうか?

国会討論を見ることは少ないですが、
見ると、各人が自党(の支持層)からの主張をし
政府側がそれを適当にはぐらすという、
議論というより会話にもならない持ち回りの独り言大会のような
不思議な時間が、延々と続いているように思えることがあります。
(たまたま私が見た時だけでしょうか… 皆さんどう思いますか?)

よりよい改革のための議論がなり立たず、
新しい具体的制度設計の話に進まず
野党側からの問題の指摘による政府案の微修正くらいは行われても
根本的な課題の解決策が永遠に見えないように思える

そもそも社会合意を作り出し社会課題の解決を目指すより
自党/自分の支持を伸ばすことが主目的になっていないか。
その結果、官僚が粛々と彼らの限られた能力と利権構造の中で政策を進めるのみ
そんな状態が長い間続いてきたのではないかと危惧しています。
(ちなみに「時間」は最も貴重な資源の一つ、ということが記事の核の一つです)

さて、随分否定的な見方ばかり書いてしまいましたが
利害が様々に対立している一方で一つしか現実が選べないとき
政治という国民全体の利益向上のための妥協点を見つけだすプロセスにおいて
以降の記事では抽象的ですが
以下3点のバランスを経済政策の指針にしてみたいと思っています。
①ポテンシャルの最大化(経済成長)
②公正な経済(性差、経済格差などの様々な差と機会や結果の平等)
③外部不経済の最小化(環境問題、安全性など)

例えば、特定産業を守る規制によって一部の企業や業界を利するために
全国民に「大きな不利益」がある場合には、
①に反するでしょうから
わたしたちにとって正しい経済政策とは言えないかもしれません。
その問題点を明確化して
「その規制については」緩和する必要があるかもしれません。

しかし、仮にかなり国際的に優位性の低い産業(例えば農業)があり
それが社会において大きな価値があるので保護したいという場合
もし①を「大きく損なわない形で」②、③を達成できるなら
トータルで悪くない経済政策といえるかもしれません。

経済ですので、①が目立つのですが
貿易政策とか雇用制度とか全ての分野で
結局のところ①~③まで全てが私たちの生活にとって大切なはずです。

きっとそれらの多くは相反するものでなく、補完的な部分も大きく
(例えば②ジェンダーイクイティが高い方が、
①各人の能力が発揮され経済成長にもつながり
③男性も家事育児をすればより教育や環境保全に関心を持つ?)

従って「できるだけそれらを同時に達成する方向」へ妥協点を見出すことが、
より多くの人の利益を取り入れたベターな政策として
政治力学的にもマジョリティの同意を得られ実現可能性が高い
その形をできるだけ「明確化」していければ
「市民のための経済政策」になるのではないか、そのように考えています。

すると、その妥協点の達成には、
例えば一つの政策アイデアを極端に拡張して
ただ国民に金を給付し続ければ解決する、
ただ何でも全て規制緩和すれば経済成長してハッピーになる
などのように単純化はできないのでしょうね。
(それは支持層の立場に「のみ」に立った主張なのだと思います)

単純なやり方では複雑な社会に対して上手くいかないということ
またその極端な政策が結局マジョリティの賛同を得られず実現化できない
その両方の面で、難しいのではないかと思います。

ですから、新自由主義こそ正しいとか資本主義が間違っているとか、
あらかじめ「本質」を規定するのではなく
私たちの「現状」を受け入れてそこから出発し、
向かう「目的」を定め
その達成方法を具体的に考え、政治的に可能なシステムに落としていく
そのような実存主義的かつ社会工学的なアプローチの積み重ねが
今必要な経済政策になるのではないかと思うのです。

ではその向かう「目的」ですが、
この一連の記事では5のフェイズで考えてみたいと今のところ予定しています
①労働者数=供給力の最大化(雇用保障による完全雇用政策)
②労働生産性の最大化(教育とイノベーション)
③資源の投入先の最適化(規制緩和と産業構造転換)
④富の保全(自給と自律と分散型経済)
⑤外部不経済の最小化(環境保全と中立科学審査)

①~⑤を見ていく中で、
このような具体的な制度をつくったらどうかという提案も、
私は専門家ではないですが、幾つか提示してみるつもりです。
それに対し異論を感じる方もいると思いますが
それをきっかけに、もっとよい具体的制度を考えていただければと思います。
そのような具体的な方策を人々が協力して考えていくことが
今必要なのだと私は思います。

また、①の今回は、経済成長に重きを置いているように思えるかもしれませんが
①から⑤と議論の経過に従って、徐々にバランスのとれた
理にかなった全体の政策になれば、と今のところ考えています。

最終的には政党など各主体が「それぞれ」全体を見て、
バランスをとれた政策を考え、その方向性を明確化して、
国民の間で議論することが必要であると思います。

①労働者数の最大化(雇用保障による完全雇用政策)

いかにすべての働ける人に働いてもらうか

ある国の経済ポテンシャルを最大化するには
①その国の働く人の数を増やすこと
②1人1人の働く人の生み出す付加価値を高めること(生産性向上)
の2つが大まかには手段となるでしょう。 

付加価値を最大化し、稼ぎを増やし、消費によってそれを享受する、
それが一般的に「経済的に豊か」ということであり、
消費のみならず、納税を通じて社会保障制度の安定にも有益なはずです。

特に、少子高齢化で労働力不足の危機が迫っている日本では
少子化対策と共に、その人口構成の下で労働力を最大化していくことは重要でしょう。
つまり働ける全ての人に出来るだけ働いてもらうことが望ましいはずです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ja05-att/2r9852000001ja67.pdf 
こちらは検索して出てきた少し古い2010年の
非正規雇用に関する資料(厚生労働省)です。
ざっとご覧いただくと、
①労働力人口が減っていくという人口動態の変化
②一方で、非正規雇用労働者が増えてきたという変化
その両方がお分かりになるでしょう。

この10年程度前のデータで、
2020年にはこのままだと就業者数が400万人減るとありますが、
実際は2021年の就業者数は、6659万人と「増えて」います。
それは高齢者や女性など様々な人が新規に働いているからでしょう。
人口自体は少しずつ着実に減り、1億2580万人になっています。

これもいわゆるアベノミクス経済の一側面なのだと思います。
他国に比べて成長率に乏しく平均賃金も低下してきた
というよく指摘される負の側面の一方
雇用数は拡大し、労働供給を確保してきた点は見る必要があるのだと思います

しかし、その雇用の拡大が非正規雇用の拡大による部分が大きく
その中には低賃金労働者が少なくないために経済格差は拡大したということが
現在問題として指摘されていると思います。

これは小泉構造改革辺り、あるいはその前から継続している
雇用の形の変化の傾向なのでしょう。

とすると、そのような大きな格差拡大を伴わない労働力増加を考える
ということになりますが、もう少しこの点について分析してみます。

非正規雇用とワーキングプア

非正規雇用にも契約社員、派遣社員、パートタイマー、委託など様々ありますが、
企業が人件費削減のためにいわゆる「正社員」の新規採用を抑制して
様々なタイプの「非正規社員」を活用していく中で
・その非正規社員の給与が相当に低い
・社会保険、厚生年金に加入できない
・会社の提供するジョブトレーニングがなくスキルを磨けない
・福利厚生がない、退職金がない、有給休暇が少ない
・不安定で失業しやすい、心身の健康に良くない生活をする、孤立化する
などの様々な問題が指摘されていると思います。

現在、非正規雇用率は全被雇用者のおよそ4割弱のようです。
ただし高齢者のパート再雇用、介護、保育など事情があってパート労働を選択する人
技術があって派遣労働で職場を移動する技術者など
非正規雇用=望まない非正規労働者ではありません。
望む形に合わせて多様な働き方があるのは悪いことではないですね。

正確な数字を持っていませんが、下の記事によると
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210402-00228843 
非正規雇用で正社員化を望むのは1割~2割のようです。
下の幻冬舎の記事では、統計をもとに約200万人としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f13cd2778ecda6d005ea28529cc1acdb93cea0a1

残りの非正規社員が現在の待遇に満足している
ということでは必ずしもないでしょう。
ただし、非正規従業員の数の多さ「だけ」を問題視すると、
多様な働き方自体を否定することになりかねないとも思います。

非正規労働の拡大に伴う大きな問題として指摘されるのがワーキングプアです。
その用語の正確な定義はないですが、
年間を通じて、フルタイムに近い時間働いても
年収200万以下程度の勤め人を指すことが多いようです。
(仮に年200万=8時間労働×250日稼働、残業なしとすると時給1000円以下です。)

ちなみに単身世帯の生活保護費を、仮に4万円程度が家賃扶助(地域で違う)とすると
月約12万程度=年約144万程度となり
これが最低限の健康で文化的生活を維持する金額の目安となるでしょうか。

ワーキングプアとは、フルタイム近くの時間仕事してもそれと同程度から
+50万程度までしか稼げていない、ということになります。
扶養家族が何人かいれば、生活保護費の方が高くなるかもしれません。
生活費節約の仕方も色々あるでしょうが、
どうやってもあまり生活に余裕はありませんね。

世の中の仕事にも色々ありますが、
フルタイムで働いてその程度しか稼げないことを
日本の物価を考慮して、あなたは妥当、あるいは公正なあり方だと思いますか?

ワーキングプア層の人数はよくわかりませんが
最低賃金(地域で違う)に近い給与で
フルタイムかそれに近い時間働いている人の数ということになります。
時々道すがら飲食店やコンビニのバイト募集の張り紙を見る限りでは
飲食店とか、小売店とかのアルバイトでは少なくないでしょう。

問題の一つは、もし仕事が同じような内容であり、昇進もせず
社内外で研修などの機会もないと、スキルアップによる昇給もあまり見込めず
仕事外でスキルアップしたくても、貧乏暇なしでその時間と資金を用意できず
結局低賃金の仕事をし続け、
貯蓄がないため、失業して失業給付が不足したり、
それが切れれば、生活保護の世話にもなるかもしれない
そのような連鎖にはまってしまう可能性があるかもしれません。

つまり固定化してしまう、ということです。
時にはアルバイトで食いつなぐ時期があっても
いずれ頑張って正社員として就職すれば、
人生色々あるのでいいではないかといっても

社会全体で正規社員のポジションをある程度絞っている中
雇う側も、やはりそのポジションに合う経験を持った人を選びますので
特に低スキルのまま高齢化してしまうと、
どうしていいかわからなくなってしまうかもしれません。
ロスジェネ問題とか、幾つかの文脈で
そのようなことが指摘されることがあると思います。 

すると、それぞれの企業が人件費を削減して利益を確保する一方
「日本の社会全体」では、スキルが上がりにくく低賃金で
将来の年金も十分でない、そのような層が増えている可能性があります。
つまり、そのような人件費削減による企業の利益確保だけの戦略では
「社会全体の経済成長」はあまり見込めない、ということになるのではないでしょうか。

結局、企業の福利厚生を十分に受けられない層の拡大は
社会全体でカバーする必要があります。
社会保険・厚生年金(雇用者が保険料の半額負担する)の加入条件は
少しずつは適用範囲が広がる形で改善されており、
従業員500人以上の事業者(今年10月から100人以上)は
週20時間以上働いている場合、
それ以下の規模の事業者は正社員の所定労働時間の3/4以上働いている場合
加入できるようです。
https://workstyle.ricoh.co.jp/article/pension.html

しかし、それに当てはまらない場合、
国民健康保険、国民年金(本人全額負担)にのみ加入し、
厚生年金なしになるでしょう。

国民年金についてもCovid-19の影響もあり、納付者が減っているようです。
https://diamond.jp/articles/-/276272
この記事にあるように年金の納付者が減ってもその人の給付が減るだけなので
年金システム自体は安全かもしれませんけれど
その分、将来、財政における生活保護支給額が増えることになるでしょう。

移民で労働力不足を補う?

一方で、労働力人口の減少に伴う労働力を補う方法として、
外国人労働力を呼び入れることが財界、政府によって考えられています。
それは労働力を補う一般的な方法であると言えるかもしれません。

例えば、特定技能の外国人の滞在が5年から無期限になりました。
もしそれらの人が永住できるなら、さらに労働力を補う方法になるでしょう
移民については、メリットデメリット両面があると思いますが
受け入れ側の社会的合意と準備が必要でしょう。

しかし実際は、失業者も含めて「働ける日本人がまだ十分いる」のも確かです。
一方で、アルバイトの募集をしてもなかなか人が集まらないとよく言われます。
それは結局、日本人が納得する給与が支払われない、
あるいは、その他条件が合わないということが、
外国人労働力を頼る背景の一つとしてあると考えられます。
そのような環境の中で、例えば技能実習生の労働環境に関する問題もあるのでしょう。

つまり、お雇い外国人ではないですが、
優秀な外国人を雇用して産業を活性化させる、という考えとは違い、
「賃金を上げたくないから」「その賃金では成り立たないと思うから」
「その条件では日本人が仕事につきたくないから」
低賃金労働者を外国から呼ぶという側面があるでしょう

しかし、そのような動機での外国人労働力の拡大には、
・日本人が含めて、低賃金労働拡大へ導く可能性がある
・外国人労働者の定着に際して様々な社会的コストもかかる
ということも考えられ
それは、欧米などで移民反対派が主張する内容ではないかと思います

ですから、まだ国内の労働力を活用できないのか、という視点は
やはり大切であると思います。

そのことと先のワーキングプアという現実も合わせて考えた場合
・失業者、潜在的失業者(ハローワークで求職していないと失業者とカウントされない)
あるいは、高齢者、障害者も含めて
働けて働きたい日本人全員が働いて社会を回して
必要な労働力を提供すると同時に、
・公正といえる十分な給与を稼ぎ
・税金や社会保険料も納める
そのような「本当に支え合う社会」を築くことが
好ましい姿ではないかと思うのです。

ではそのためにはどうしたらよいでしょうか。

「雇用保証」と「再訓練」

これらを解決する一つのアイデアとして
以前に第3回で紹介した政府による「雇用保証」
あるいは「就業保証」というアイデアを発展させ
雇用保障と職業訓練を合わせた完全雇用システムについて
考えてみたいと思います。
(第3回 http://silverbulleta.blog.fc2.com/blog-entry-93.html )

政府による雇用の保証とは、端的に言えば職を望むすべての人に、
政府が雇用を最低賃金以上で提供する仕組みです。
例えば、日本の制度から出発して現実的に考えるならば
職を欲しい全ての人が、ハローワークに申し出ると
登録されている仕事(有償職業訓練も含む)に
最低賃金かそれ以上で就けるということです。
「原則拒まれることがなければ」保証と言えるでしょう。

そうすれば日本の労働供給を最大化できることになります。

ただし、まず初めに、ワーキングプアの問題を解決するためには
前提として、最低賃金を引上げる必要があります。
そうしないと官製ワーキングプアを大量に生み出すことになります。
最低賃金額に関する考え方は色々ありますので
仮に、最終的に最低賃金を1300円程度まで引き上げたと仮定しましょう。

一日8時間働いて、「残業なし」で年収が250万程度です。
豊かではないですが、貧困でもなく
貯金もしようと思えば多少はできるでしょう、
フルタイムで共働きすれば現在の平均世帯年収を超えます。

あくまでセーフティネットとしての最低賃金であり、
物価が上がれば、それに合わせてさらに上げます。

最低賃金を上げることの詳細はまた次の回で見る予定です。
詳細とは、最低賃金を上げる際の中小企業支援とか
最低賃金額の根拠とか、価格転嫁や生産性の向上などです

ここでは、仮に最低賃金をワーキングプアではないレベルに上げたと仮定し
もし、その人件費上昇によって廃業する企業が出ても
その失業者も含めて、雇用保証で全て吸収します。

さて、全ての望む人に最低賃金以上で政府が雇用を保障すると
理論上は、望まない失業者と潜在的失業者、
そしてワーキングプアが「日本からいなくなります」。
それは野党の多くが、優先的に目指したいところなのですよね?

選択的にさらによりよい職を求めて求職活動する人(それはある程度望んだ失業者)
失業保険給付や、貯金の取り崩しなどをしながら休む人、学ぶ人
引退した人などは、その人の選択ですので、それはよいです。
ですから、失業率ゼロにはなりません。
強制的に働かせることは誰にもできません。

社会保障制度を低コストで安定化させる方法

雇用保証は、社会保障制度の安定化に大きく寄与するでしょう。

まず、雇用保障と生活保護をリンクさせます。
つまり生活保護申請者に雇用保障労働を義務付けることで
高齢や病気、障害、育児、介護などの事情で働けない人以外で
生活保護を受給する人は原則いなくなるでしょう。

申請者側も、生活保護受給のために
資産制限やクレジットカードの制限を心配する必要はありません。
もらうのは労働の対価としての賃金です。

働ける人が皆働いて賃金を稼げば
国の生活保護支給費を大幅に削減できます。
長期失業者が貯金ゼロ近くになるまで、あるいは借金が膨らむまで手を打てない
ということもなくなり、少しずつでも資産形成できます。

さらに、働けない人、貯金のある人などが自発的に働かない場合を除けば
望む全ての人が切れ目なく働き続けることができるため
健康保険料と基礎年金と厚生年金を納め続けることになります。

するとそれら社会保障制度が将来にわたって安定化し
一般会計からの特別会計への繰り入れも減らせるのではないでしょうか。

下は厚生年金受給金額の目安です。
https://hoken-all.co.jp/hoken/nenkin-ikura/ 
仮に、この年収250万円程度の雇用保障最低賃金労働「だけ」を
「残業ゼロ」で40年続けたとしても
この表によると、厚生年金受給は5万円弱となるようですので
基礎年金と合わせると11~12万程度にはなるでしょう。

しかし、ほとんど大部分の人は、人生の中で昇給して
それ以上の賃金を得る機会があると思いますので
すると、大部分の人が生活保護費を上回る程度の年金は
将来受給できるはずですし、貯金もある程度できるでしょう。
財政的には「将来に渡って」生活保護費支給を大幅削減できます。

ちなみに先ほど幻冬舎の記事では、高齢者の平均的支出が月15万円程度とありました。
すると大部分の方は、基礎年金・厚生年金などで
生活費を何とかカバーできるでしょう。
たとえ特養に入っても一人現在15万円くらいで済むと思います
つまり、最低限、年金等による老後の安心がほぼ誰にでも得られます。

すると、医療扶助部分などはある程度残るとしても
基本的に生活保護制度は障害、病気、子育、介護など
様々な理由で働けない人だけの制度になるのでしょう。
そのようにして生活保護を受ける人自体を減らすことが
本来望ましい社会保障制度ではないかという気がします。

政府も社会保障給付が大きく財政圧迫する心配が減ります。
この方が時々話題になる、
財源や他の社会保障制度との関係が不明なベーシックインカムより
ずっと持続可能性が高いシステムではないでしょうか。

何より失業する心配がなくなりますので、社会的にストレスが大分削減されるでしょう。

生活保護について

話がずれますが、働けて働く必要のある人がほぼ全員職に就いている場合
働けない人の負担を、その人の家族に強いるのは
民法に何と書いてあっても、今の時代には合わないかもしれませんね。
良くも悪くも個人単位の時代になったと多くの人は感じているのではないでしょうか。

ですので、一方で病気などの理由で働けない人に関しては、
例えば生活保護申請時の扶養照会もなくしてしまい、
受給を「促進し」て、捕捉率100%に近づけるのが
貧困撲滅と人権の観点から望ましいのではないかと感じます。

そうすれば、経済的理由からのホームレス、ましてや餓死者などゼロになるはずです。
憲法に記された健康で文化的な生活を営む権利実施のため、何故そうしないのでしょうか。

生活保護制度自体をより効率的なシステムにする方法としては、
例えばですが、家賃に関しては金銭支給ではなく、
自治体が空き家、空き部屋を入札のような形で割り引いて借り上げ、
部屋を提供する方が安く済むかもしれませんし
食べ物も含めてより現物支給に変えて、経費削減できるかもしれません。

また後で述べますが、そのような支給・支援を通じて受給者情報を把握し、
その「完全には働けない人」の中からも「限定的に働ける人」を積極的に見つけ
在宅勤務、パート、障害内容にあった雇用などを積極的に提供して
非支援者と仕事をマッチングしていくことに行政の労力を注げれば
よりインクルーシブな社会になるのではないかと思います。

私たちにとって最も貴重な資源とは「時間」である

雇用保証の話に戻ると、通常の職業訓練や職業紹介など雇用促進手段と
雇用を保障するという考えの最も異なる点は「時間観」と「強制力」だと思います。
労働市場で現在様々な理由で不利な人が、求職活動を長い期間する
その時間自体が大きな損失ではないかと思うのです。
それ自体は、殆ど何も生み出していません。

需要と供給のギャップが大きい内は、何時までも仕事が見つからないかもしれません。
そして仕事が中々見つからないという経験や心配から、
心理的に就職を諦めたり
心を安定させ、スキルアップに投資できない人も少なくないでしょう。

この人々の膨大な時間の損失こそ社会の生産性向上のためになくすべきであり
例えば社会的引きこもりの人たちも含めて、現在どんな経歴とスキルの人も、
職を望み、本当に働く気のある人は、政府が拒まず先に雇ってしまい
そして賃金をもらう以上、現場でのOJTも含めて、最速で仕事を学んでもらう。
拒まれないで雇われるとわかっていれば、働きたい人はたくさんいるはずと思います。

必用なら政府が企業のOJTに加え、
様々な職業訓練、メンタルケア、生活相談などを提供します。
そのようにして「すべての国民を誰一人とり残すことなく人材として育てる」ことを
国策として決定して行うのはいかがでしょうか。

国民に勤労の義務を課したいなら、勤労の権利を保証してもいいでしょう。
完全雇用を目指す機関を作ることはILOの条約にも書いてあったと思います。
それはきっと、将来において十分ペイする人への投資となるでしょう。

その時問題となるのが
(1)そのような都合のよい労働供給が可能であるのか、
(2)どのように給与を賄うか
となりますので、それを考えてみましょう。

労働供給システムはハローワークと派遣会社の融合

現在の失業者が200万人くらいです。
仮に「見えない失業者」(=職が欲しいけど求職を諦めている人、
雇用環境の改善を待っている人、フルタイム希望のパートタイマーなど)が
フルタイム換算でさらに100万人程度いると仮定しましょう。

https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210402-00228987
ちなみに、この統計では求職活動したいけれどしてない人が286万人とあり
その理由としては、100万人弱が「適当な仕事がない」
120万人程度が、「出産育児、介護、健康状態のため」
50万人程度が「理由不明」ですので
「すぐに働ける」見えない失業者をフルタイム換算で100万人と概算してみました。
(社会的引きこもりの人だけでも100万人程度いると言われていますが…)

それらの失業者はずっとそうではなく入れ替わるわけですが
現在比で、約300万人の追加労働力が見込めることになります。

実際は失業給付をもらったり、貯蓄を崩しながら
賃金のよりよい仕事を探したり、学んだり、休みたい人も相当数いるでしょう。
ハローワークにはあまりこないハイエンドの職を探す人も少なくないでしょうから
雇用保証労働の利用者を仮に最初は200万人と仮定してみましょう。

それは労働力不足解消のために大変良いことですね。
そうであれば、5年間で34万人という特定技能の外国人は
まだ招き入れる必要がないかもしれません。

例えば、外国人労働者に日本語をしっかり習得してもらうには
ゼロから始めれば1000時間程度はかかるでしょうか。
もし、しっかりしたプログラムがあれば、
仕事にもよりますが、その5分の1の時間(200時間)もあれば、
日本人の長期失業者でも、例えば介護労働とか、
他の様々な仕事の初歩を十分に身につけられるのではないかと思います。

しかしその全ての労働を公的セクターが提供するのは不可能でしょう。
(第3回で紹介したMMT派経済学者のケルトン氏の本にあった雇用保証は
公的セクターにおける地域の労働を想定しているのだと思います)

ですので、一つのアイデアですが、労働供給を
A:政府が雇用し民間等(企業、NPO、自治体etc等)へ派遣する
B:政府が作る公務(短期・長期)で働く
の2つの組み合わせで考えたらよいのではないでしょうか?

Aのイメージとしては、今ある様々な雇用関係の助成金の大幅拡充です。
雇用関係助成金とは若年者とか障害者とか様々なカテゴリーの人を
ハローワークを通じて雇用すると、助成金として何十万円出る
というような賃金助成の制度がいくつも存在します。
(さらにコロナ禍の今は、失業防止の助成金も昨年度は2兆円以上出しています)

基本的にはそれと似ていて、ただし年齢などで分けず、
例えば単純に、雇用保証の求職者を雇用した場合は、
最大6か月まで給与の半分(あるいは4割とか)を政府が援助します。

正確には、その派遣期間は「政府が雇用者(=公務員)」であり
社会保険料の雇用者負担分も政府が負担し
派遣先の企業が残り半分の賃金を政府に支払う形であれば
派遣先企業にとってはその労働者を受け入れやすいでしょう。
マッチングが上手くいかず、また別の派遣先を探す場合も
雇用が途切れることなく事務手続き的にも簡素であると思います。

ちなみに通常の派遣社員は、派遣先企業が払うお金の3割くらいを
派遣元会社が自社運営や社保負担目的でマージンとして取りますが
(つまり働く人のもらう金額より使用側が何割か多く払う必要がある)
この雇用保証派遣は、派遣元政府の方が給与をある程度を支援してくれる
派遣先企業にとってありがたい制度です。

ただし未熟練者、長期求職者、業界未経験者などもいることが想定され、
そのOJTでの訓練費用も助成金に基本的に含まれるという理屈です。

職業以前の基礎的なビジネスの訓練やメンタルヘルスケアなどが必要な場合
あるいはエンジニア養成など時間を要する訓練などについては
OJTが困難であれば、有償職業訓練として政府側がまた別に提供します。

財政負担を考えると、給与あるいは支援額に上限が必要なはずで
仮に、助成は時給換算で750円までとしてみましょうか。
つまり時給1300~1500円まで(年収換算約250~300万)の仕事は半額助成できます。
時給1500円だと最大6か月で
月給25万の半分の12万5千円×6か月=75万円+社保負担で
100万円程度がその人に対する政府の支出になります。
1300円だと6か月で80万円程度でしょうか。

それ以上の給与でも助成率が落ちるだけですので
例えば時給2000円(年収換算400万程度)なら、
その企業は助成を使って時給1250円社保負担なしで半年雇えれば、
試用しやすいでしょう。

もし合わなければ、派遣契約期間後に本雇用しない選択があるということは
採用(試用)が促進される理由の一つになるでしょう。
しかし、その場合企業側に正当な理由(能力不足など)が必要です。
悪質に雇用継続しない企業は利用できないルールが必要です。

基本的には、派遣後に正規雇用を目指すか
あるいはこの期間中にもっとよい条件の仕事が見つかれば
その仕事に移るための制度です。

この政府による民間等への派遣に加えて
政府は自治体と協力し、直ぐに就業可能な
十分な量の公務労働を提供する努力をします。
(こちらが、ケルトン氏の言う就業保証プログラムに近いはずです)

例えば、官庁や医療・教育・介護現場等での補助業務をしてもらうことで
しばしば指摘される公務員不足を補ってサービス改善できます。
あるいは環境整備とか、様々な現場での作業員として
地域を活性化したり、安全やクリーンやグリーンする仕事を
作ることもできるでしょう。
一次産業や再エネなど、国策的に強化したい分野に
多く仕事を作ることができるかもしれませんし

この公務は、原則最低賃金です。
そうでないと、逆に人を集めることで民業を圧迫してしまう可能性があります。
一方の企業等は、この公務労働よりよい給与等の条件を示すことで
この公務労働者の人材プールからも人を雇うことができます。
働く側からすれば、民間でより良い条件の仕事がみつかれば移るということです。
(最低賃金の設定が重要になるでしょう)
不景気時には、公務労働者が増え景気変動のダメージを吸収できるでしょう。

この公務は全額政府負担になりますが
仕事内容によっては自治体の間で負担の割合を調整できるかもしれません。
自治体職員がハローワークに出向して仕事を作るのがいいでしょうか。

求職者は登録された仕事から探すわけですが、利用者のパターンとしては
①自分が正社員になりたい企業で最大6か月間助成を受けつつ学びながら働く
 (事務・介護・建設、ITetc..)
②介護・保育、医療補助員、学校補助員、
保健所補助員とか、地域活性化スタッフとか、現場作業員とか
 短期、長期の公務につきながら求職活動を続ける
(あるいは、最低賃金の公務で満足して長期的にそこで働く)
③有償職業訓練(技術者、国策的人材養成など)

①は民間雇用促進であり
②は公務員不足を補い公共サービスを改善したり
政府や自治体が拡充したい部門の労働供給(一次産業、エネルギー転換需要)
③は技能習得がOJTでは困難な様々な時間をかけた教育機関による訓練
国策的産業構造転換(ICT、再エネ)のための職業訓練などです。

③の職業訓練は、現在公共職業訓練をハローワークに申し込むと
失業手当を受給しながら、あるいは失業手当がない場合
月10万円程度もらいながら様々な職業訓練を受けることができます。
それを拡充したイメージです。
例えば、訓練が一日6時間として最低賃金1300円をかけると月約15万程度で
単身の生活保護費を上回り、このくらいは受給できてもいいのではないでしょうか。

国策的人材養成とは、例えばデジタルトランスフォーメーションによって
事務職なども含めて相当の失業者が見込まれる一方
IT技術者の大量養成が必用だったり
カーボンニュートラル達成のため、再エネの拡大の各種工事や
住宅の省エネ化のための工事の技術者など
国策的にある種の技術者などをたくさん養成する必要があるならば
その職業訓練を受けている間、生活費を出すという意味です。

その場合は、産業界とよく相談してその訓練すべき人数を推定し
例えば訓練の後期にはインターンシップを必ず行って、
原則、訓練の終了=就職という形にするなど
産業界の方で責任をもって雇わなければ投資した時間と金が勿体ないでしょう。
職業訓練を、産官学の協力でより計画的効率的に運営することが
今後大切になるのではないかと思います。

そのような再訓練制度は、
産業構造転換の際のセーフティネットとして機能し
社会全体の生産性を高めることに寄与するでしょう。

当初雇用保証の利用者200万人と仮定しましたが、
他の変数を考えなければ、理屈では
・雇用増による内需拡大(賃金そのものに金を出すので消費拡大効果は高い)
・産業構造転換促進による新規需要創出
・人口動態の変化からの労働力減少
つまり需要増と人口減から、民間の雇用でどんどん吸収でき
制度利用者自体が徐々に減っていくはずです。
もともと長期的には労働力不足なわけですからね。

余剰労働力を全て吸い上げれば
後は景気変動及び産業構造転換によるダメージを吸収し
労働力の移動を補助、促進するシステムとなる理屈です。

仮に①の半額助成による民間派遣を制度開始、「常時」平均150万人として
計算しやすいように全て最大額の時給750円助成として計算し
全額支出する②、③の公務も同様に常時40万、
④職業訓練は合計10万人(平均訓練期間3か月なら述べ40万人)と仮定すると、
年間財政負担は100万円(6月)×2×150万人+300万×40万+180万×10万人
=約4兆2千億円が運、営費などは除いた給与と社会保険料支払いになります。

しかし一方で、生活保護費支給の減少、
失業手当の減少や、手当とのダブり
既にある雇用関係助成金や雇用調整助成金
就業支援金(有償職業訓練)給付とのダブりが相当あります。

また、支給が増える分の行先も、ほぼ全額給与か社会保険料ですので
それによって所得税や社会保険収入が拡大し
(手取り以外の大部分がほぼ何かの費目で公に戻ってくる)
消費税収入も拡大することによって
支出増の何割かも相殺されるでしょう。

経済学者でないので計算できませんが
現在比での支出増を、始めは半分の2兆円程度としましょうか。
実際は経済成長もあり、むしろ収入増になるかもしれません。
というより人材「投資」なので、リターンの方を大きくしようとしているわけです。

加えて、先ほど述べたように労働人口減少により利用者自体は理論上減り続けていき
経済成長にも寄与していくと考えると(賃金を通じて内需が増えていく)
例えば当初数兆円の支出増分の財源を、
大企業や富裕層への増税で賄っても、一部国債で賄う方法もあると思いますが
十分にペイするシステムではないでしょうか

最終的には、景気変動と産業構造変換の労働移動に伴うダメージを
主にカバーするセーフティネットとして機能し、
景気がよく民間の雇用が安定している場合は利用者が減り
景気が悪くなれば利用者が増え
景気変動の国民経済への影響をほぼ吸収しつつ、供給力を最大化する
徹底したケインズ政策です。

国民は収入が保障されるだけでなく、働きながらスキルを磨きつづけ
職業を通じて社会性を広げ、絶対飢えず失業しない安心感が得られます。

テクノロジーに支えられたケインズ政策

ハローワークですから、恐らく厚生労働省を中心に運営します。
求職者は、登録されている膨大な仕事の中から選び、応募します。

その作業の支援を、ハローワークの職員とAIと
協力機関で行うというイメージです。
予算確保よりこういった具体的な人、情報、技術のシステム構築が
最も難しいはずですから、縦割り行政を排除して
目的のために徹底して、省庁、自治体、民間が協力することが必用です。

登録者も自分で検索して仕事を探しますが
まず自分の情報と希望条件を相当細かく入力すると、
その条件に合う仕事を紹介され
それがよければさっそく応募して、面接等をアレンジしてもらいます。

細かく入力というのは、働ける時間、就業場所とか、持っているスキル
身に着けたいスキル、あらゆる情報をカテゴリーを細かくして
選択式と一部記述式で入力する感じです。

履歴書の書き方などをハローワークで講習していますが、もう辞めて
基本的には、全て入力をした情報をそのままプリントアウトするか
紙ベースもやめて、電子データとして送信することで
履歴職歴書として機能するように
既定のフォーマットを作成して、各企業に利用を奨励できないでしょうか。

データ量が多くても、採用側の方で欲しいカテゴリーの情報を検索すると
直ぐ出てくるようにすれば、恐らく見にくいことはない気がします。

政府も確かジョブカードなど作ったり
キャリアのポートフォリオ的なものを作成しようとしていた記憶がありますので
全ての職歴やスキル情報などを入力していくとよいのではないかと思います。
履歴職歴その他の求職者の情報が多いほど、
面接前に適性を判断しやすく、お互いに時間が節約できるのではないかと思います。

企業側も同様に企業等がハローワークに求人登録する際に
雇用保証派遣を受けいれたい場合は、
出来るだけ仕事内容や、求める人材の条件を
細かく条件を入力するようにします。

必要な経験、昇給や将来のキャリア形成、求める人材のタイプ
その他、マッチングに役立つ情報を分析して入力項目にします。
そして、求職者も可能な限り全ての情報を入力します。

そのような求人側のデータと求職者側の求めるデータをもとに
AIも使用してマッチングして
プロフェッショナルなジョブアドバイザーが
面談や、メール、チャットを通じてアドバイスします。
求職者に最適な仕事をどんどん紹介、推薦していくような
システムのイメージです。
(例えば希望の仕事と労働条件のマッチング率90%とか、
高い順に際限なくどんどん紹介してくれる、みたいな感じですね)

地域にある企業や自治体の仕事だけでなく
全国のデータを統合して、東京のこの人のプロフィールなら、
宮崎県のこの野菜農園の仕事が適して案外マッチングするのではないかとか
AIが出した情報を見て、ハローワークスタッフと相談する
それでも中々応募しない人は、スタッフの方からどんどん紹介するという感じです。
 
キャリアアドバイスは、今のハローワークの職員だけでは
スキルが足りないかもしれない一方で、
このようなシステムが存在すると、恐らくその賃金帯の雇用に関しては
民間の派遣会社の仕事が成り立たちにくくなるような気がしますので
キャリアアドバイスのノウハウのある派遣会社から職員を受け入れたり
運営の一部業務委託するのもいいかもしれません。

現在でもハローワークが民間の人材会社を紹介することもあると思いますが
民間の一部の求人データベースは一体化させてしまえばいいかもしれません。

人材派遣、紹介会社は、専門職の派遣や(そもそもそれが派遣制度本来の主旨のはず)
もっとハイエンドの有料職業紹介に集中し、同時にハローワークを手伝えば、
それほどダメージはないのではないでしょうか。

求人側企業等にしても、求人広告に何度もお金を払って募集をするより
システムと支援制度を利用して雇ってみて、適性を見るのは損ではないと思います。
例えば、登録者が同意する場合には、企業側から情報を検索閲覧でき
(AIの推奨をもとに)オファーをできるようにするなど、
システムの利便性を高める工夫がいろいろあると思います。

企業だけでなく、NPOとか協働組合とか様々な主体が利用できるでしょう。

基本的には仕事を探す人は、働きながら仕事を探すといいでしょう。
つまり本当は別の仕事をしたいのに、直ぐその仕事が見つからない場合は
先に、何らかの地域の公務(あるいは政府派遣)労働を見つけて
「仕事をしながら」賃金を得て、非勤務時間に仕事を探すということです。

求職活動も自宅でインターネットを通じて、
あるいは夕方など非勤務時間にハローワーク等で探します。
支援のためにハローワークは夕方や土日も運営することになるのでしょう。

そのようにして、出来るだけ切れ目なく給与を得つづけ、
スキルも磨き続けながら、次の仕事に移るのが望ましいです。

もちろん労働の強制はできませんので仕事を休みたければ、
賃金はもらえないだけで休めばいいです。
失業給付がある間は、それを使えばいいでしょう。有給休暇ももちろん使えます。

もし働く側がその仕事が合わないと諦めるなら
(ジョブアドバイザーは続けるように助言するかもしれませんが)
その人は引き続き政府の被雇用者として、別の仕事を探して就きます。

社会をよくする仕事を供給し、需要も作る

ではどのような分野で雇用促進が進むでしょうか。
主に、人不足と言われている分野だと思います。
https://www.murc.jp/report/rc/column/search_now/sn210609/ 
例えばここにある14分野で最低でも34万人は雇えるはずです。
労働力減少が進めば、先々ではもっと必要になります。

現在労働力不足への対策が求められている業界
まずは、介護、その他のエッセンシャルワーク関連
IT、建設など、あらゆる業界での雇用が促進されるでしょう。

ちなみに、今日から抜本的少子化対策をとって、
皆ががんばって、仮に来年から出生率が上がり始めても
その赤ん坊が労働し始めるのに20年程度必要です。
20年後に500万人は労働人口が減る推定ですから
200~300万人の追加労働力は理論的には10年後「何もしなくても」
全て吸収しているはずです。
その後は足りなくなってしまうでしょう。 
ただしDX等による合理化が進めば
それによる相当の一次的な失業者は出る可能性があるかもしれません)
https://www.konicaminolta.jp/business/solution/ejikan/column/workforce/declining-workforce/index.html 

公的セクターも、官庁や、様々なエッセンシャルワーク関連など様々な現場で
たびたび指摘されている公務員不足を補うことができるはずです。

例えば教員や看護師の数自体を増やすことも必要でしょうけれど
資格を取るのに数年かかってしまいますので
(現在の公共職業訓練でも看護師も含めて2年のプログラムはあるようですが)
補助業務を行う人を増やすことで、
それらのエッセンシャル・ワーカーの業務負担を軽減できるでしょう。

その他、地域環境をよくする様々な仕事を創造的に作り出すこともできます。
ソーラーパネルを設置するとか、そういうこともできるでしょう。

また、現在の居住自治体で仕事を探す必要はなく 
引っ越して農業等の一次産業分野で就労するなど
様々な選択肢もあり、それはマッチング次第です。
ちゃんとした仕事があるなら地方への移住をしたい、
と言う人は結構いるでしょうし
一方で、後継者の足りない一次産業を活性化させることにつながり
食料自給率の向上にも役立つかもしれません。

人不足の分野に労働力を投じることに加えて
もし余剰労働力がある場合、未来への投資をする仕事
老朽インフラの交換、ITインフラ投資、再エネなど作業が遅れている分野を進めるための
例えば必要な公共事業を前倒しして進めればよいと思います。
そのような社会をよくするための事業は、しっかり財政を投じるべきです。

実際に、たとえ政府が賃金を一定期間一部助成すると言っても
世の中の仕事(需要)自体が増えなければ、
固定費である人件費を増やして新しく人を雇う企業は限られるかもしれません。
賃金支払いを通じて内需が拡大する部分も大いにあると思いますが
財政を使って直接需要を生み出すことも有効です。
それは、政府=人々が行うべきと考える事業に社会の力を注げるからです。

例えばグリーンニューディールというのはそのような考え方の一つですね。
再エネ普及のため、風力発電の風車やソーラーパネルその送電網を整備したり
また全国的に住宅の断熱化省エネ化を行うことは
いずれカーボンニュートラルを達成する予定なのですから
国策として前倒しで実行しても損はないはずです。

それらの公共事業費や補助金などは別の予算措置になります。
しかしそれらは、「いずれやらなければならない」ことであり
もし現在労働力が余っているなら、「その間に」やれることをやった方がいいのです。
人口減少が進むと、回せる労働力がどんどん減ってくるかもしれません。

供給力の最大化を政策目的とする理由の一つは、
時間軸を組み入れて考えて効率的にすることが大切だからであり
そうしないから、万事が遅れているということになるのではないかと感じます。
それはカーボンニュートラルのための投資に限られませんが、
これにしても政府自身が立てた2030、2050年の目標に間に合うのでしょうか。

時間制限の中で、加速させるためのシステム設計する時
政府の単年度の財政状況の制約を重視するより
供給力の余剰に目を向けて、それを動かすことを考えた方がよいのではないでしょうか。
金は世の中を回す手段であり、社会的に必要な費用を政府が賄うためには
負担をすべき対象、負担が可能な層に対して、徴税すればよいのです。
投資的経費はある程度建設国債と同じように国債で賄うことができるでしょう

逆に、超金融緩和をして市場原理に任せておいても
カーボンニュートラルなんて絶対達成できないでしょう。
そういう個人を超えた社会的負担には投資しない程度に
私たちは十分セルフィッシュなのですから

社会の資源を有効に使うために民間による投資を優先する考えはわかります。
だからこそ、例えば雇用保証でも民間を優先にする仕組みを考えてみましたが
しかし、どのようなことは市場原理では達成できないか、ということも
既に私たちは経験から理解しているものと思います。

カーボンニュートラル達成のための諸事業だけでも、
毎年8~10兆円の投資が必用、という推計を見たことがありますが
(もっと必要かもしれない)
その何割かは、結局人件費なのですから
その費用捻出が、雇用対策になるのなら効率がいいです。
それを労働力の余剰がある時にやらないのはもったいない気がします。

ですので、失業防止のために働かないことに金を出すのも
一時的な処置として理解できますが
休業や失業者、その他の余剰労働力がある時にこそ 
必要な事業に国内の稼働可能な労働力と税金をどんどん投入して、
本来やるべきことを加速してやった方が
その結果雇用も経済も社会も環境もよくならないでしょうか?

再エネや省エネ普及も官民の双方の負担があるものは
一方的に政府の都合では進められないでしょうが
例えば、今、住宅の断熱等省エネ化工事するのに
3分の1まで補助金を出しているとして
余剰労働力があって投入できる場合、
その補助率を期間限定で大きく引き上げれば
その間、工事が増え、すると雇用も増えるでしょう。

あるいは、政府が再エネのための送電網を公共事業として整備するとか
そのように政府の公共事業として行うことのできるものもあるでしょう。

そのように公的な事業を拡大させる時、
もし、既存の労働者が長時間働くことで新規雇用促進効果が限定される場合
法的に可能な枠組みはわかりませんが
例えば特定の公共事業の受注する際に、
現場作業員の何割かを雇用保証労働者を新規に受け入れる条件とするなど
雇用促進に直結させる仕組みができないだろうか、と思います。
雇う側も、助成が受けられるならメリットはあるはずです。

ということで、200~300万人の追加労働力で
・まず待機児童をゼロに
・待機高齢者、待機病人がいるならそれもゼロにし
 医療、介護・教育・保健衛生をゆとりのあるものにし
・老朽インフラを片端から交換し、電柱も地中化し
地方の通信インフラも整え
・食料自給率とエネルギー自給率を本当に上げたいのなら、上げ、
・DXを促進し
・再生可能エネルギー普及を促進し
 住宅の断熱化などの省エネを促進し
・さらに、ワークシェアリングを普及させ(後で方法を議論します)
日本人の長時間労働を解消し
・それでも万が一、労働力が余ってしまったら
 地域交流の促進とか文化活動の充実とか
あるいはその仕事内容を考える仕事からしてもらえばよいですが
まず、余らないのではないかと思います。
カーボンニュートラルへ向けた諸事業を前倒しして全国的に実施すれば
もう人が足りない、ということになるのではないかと思います。

とにかく、人が多くて困るということは基本的にありません。
逆に景気がよければ、例えば支援額を5割から3割に下げるなど
完全雇用を維持できる範囲で支出削減もできるでしょう

重要なことは、人々が納得できる条件の仕事
そして社会をよくするための仕事を
それを生み出すことに資源を集中する事だと思います。

逆に仕事自体がないと、様々な就業支援政策に予算をつけても
求職者と仕事は永遠にマッチングしないでしょう。

「テクノロジーに支えられた徹底したケインズ主義的政策」で
国家の労働供給を最大化しつつ、内需を拡大し、
社会保障制度を安定化させ、社会によい形の経済成長を促す
それを社会主義的、計画経済的にではなく
可能な限り市場を通じて行う、これが基本的コンセプトです。

公共職業訓練と「全ての人を誰一人残すことなく育てる」

雇用保証は不安定雇用を多く作りだすことが目的ではないため
政府派遣の対象の雇用は、原則、正社員=期限の定めのない雇用の方が望ましいのでしょう。
雇用制度自体、特に解雇規制緩については、次の回で考えてみるつもりです。

政府による派遣を期限まで続けたら、通常は直接雇用するとみなされます。
本雇用しない場合、その根拠を企業側が示す義務があります。
例えば、働く側が辞めたいと考えている、スキル不足
その他の合理的理由で雇えない根拠があれば可能ですが
ただ政府の助成を目当てに雇用を継続しない企業は
悪質な業者とみなしてその企業から求人を受けないなどの措置が必用でしょう。

本来の主旨と違った不正な制度利用を避けるために
同企業が同時に利用できる人数を限ることもできるでしょう。

また、サービス残業を課すなど、労働法を守らない企業も排除します。
派遣される人は政府によって雇用が「保障」されているので
安心してジョブアドバイザーや労働局に通報できるでしょう。

これらは、労働者側を守るための様々な方策ですが
労働条件、そして収入を向上させるためには、
職業訓練を受けて、スキルを向上させられることも大切です。

雇用保証はOJTを含むという形で制度を想定してみましたが
ある人が失業して他の職種に移る場合に、
外部機関が提供する職業訓練を通じて
技術を身に着ける場合も少なくないでしょう。

下は現在ハローワークを通じて申し込む公共職業訓練を説明したページです
https://job-medley.com/tips/detail/1199/ 
こちらは厚生労働省の求職者職業訓練のページです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html

訓練内容としては、手に職をつけるための様々な分野の職業訓練があり
数か月~半年のものが多く、自治体の職業訓練校や民間企業が担います。

訓練中の給付制度に関して、まず訓練自体はどちらも基本的に無料で
失業手当を受けながら訓練を受ける場合と、
失業手当の対象外の場合には、資産要件、収入要件などを満たせば、
月10万円程度の給付を受けることができるようです。
足りない場合には、生活資金融資を受けることができます。

しかし、訓練後の就職率が7割とか8割など掲載されていますが
おそらくこれは、訓練とは全く違う分野への就職も含めて(コンビニのアルバイトとか)
雇用保険の適用を受ける全ての職業に就職した比率ではないかと思いますので
必ずしも、その訓練に投資される時間と資金が
十分に生かされているとは言えないかもしれません。

受講したくても人気のある訓練は倍率が非常に高くなり受けにくいので
希望とは別の訓練を受講したり
失業手当を受けるためにとりあえず訓練を受けるという動機の人も
結構いるのではないかという気がします。

ですから、産官(+学)の協力により
訓練と就職のマッチング精度を上げるということを
もっと行うことが必要なのではないかと思います。

訓練内容や人数にしても、地域の企業や産業界とよく協議して設定したり
例えば、ハローワークで先に就業先を見つけた後で
OJTでカバーしにくい部分を、訓練してもらうとか、
訓練の途中からは訓練に加えてインターンシップを企業で行い
その会社に雇ってもらうとか色々な方法があるのかもしれません。
オンラインの研修なども使用して
時間や資金コストを削減できる部分もあるのでしょう。

雇用保証制度の一つのオプションとして職業訓練に賃金を出すことを想定すると
失業手当の額が十分ならば、それを受ければいいのでしょうが
失業手当が切れたり、失業手当対象外の人(元フリーランス、自営業者など)は
一日の訓練時間が一日5~6時間と考えると
仮にそれに最低賃金1300円をかけると、月約16万円くらいになるでしょうから、
生活保護水準は上回ります。その位は支給してよいのではないでしょうか。
足りない人は、アルバイトしたり、融資も受けることができるでしょう。

一方で、様々な境遇の人たちが求職をする中では
長期失業者、様々な心のトラブルを抱える人のなどもいるかもしれませんし
中にはメンタルヘルスケアや、社会人訓練などが必要な人いるかもしれません。

雇用「保証」ですから、
例えば、15歳の時から引きこもって30年経つ45歳の人でも
失業してから10年ホームレスをしていた50歳の人でも
登録しに来て、面談をして、しっかり働きたいと本人が言うなら
原則、政府が雇います。

そして必要な訓練やケアも就業プログラムに乗っているなら
「賃金をもらいながら」受けます。
賃金をもらっているので、直ぐに希望の職とマッチングできなくても
可能な単純労働とか事務作業補助などをしてもらい
徐々に介護とかIT技術者とか特定の職業への道を考えてもらいます。

根気強くケアと訓練を政府が提供し続けても、
どうしても何らかの理由で働くことができない場合
病名がついてもつかなくても、つまりその人は「働けない人」ですので
資産要件などを満たせば、生活保護対象になるでしょう。

つまりこれは社会福祉政策でもあり、
であれば、そのカテゴリーの予算も使いながら
医療機関、福祉機関、関連するNPOとか民成員とか様々な機関と連携しながら
国民を誰一人残さず人材として育てる、そのようなシステムを作るということです。

インクルーシブにさらに雇う

「働けて働きたい人」を全て雇用するだけでなく
「働きにくい人」の仕事を探すことも
全国的なネットワークで進めていけるのではないかと考えます。

高齢や病気、障害のある方、介護や看護で家にいる必要がある方なども
自分の状況と希望を詳細に入力してデータ化し
企業らも、困難のある方でもできる仕事について
その必要な能力などを詳細に入力し
(例えば片手でできるとか、在宅勤務かつ特定の時間できるとか)
やはり、AIとアドバイザーが支援してマッチングするという形です。

例えば、企業でも公的機関でも、
障害者雇用率が望まれる基準を下回っている事業所はあると思います。
応募を待っているだけでは、雇用できないかもしれません。

しかし、働ける障害者を探すのに、時間がかかってしまうかもしれません。
もし能力的な情報、希望の条件を選択肢と記述式で細かく入力してもらい
(例えば右手でどれだけ動かせるので、このような作業ができるとか)
企業側も、お願いしたい仕事、そのために必要な能力、
時間、場所などの条件を、詳細に記入し、
例えば、合致率の高いものを、ハローワークシステムと諸機関と連絡して
どんどん紹介してくれるようなシステムなどを作っていけば
そのような形の雇用も進むかもしれないと思います。

障害者雇用やシルバー層の雇用を紹介、提供している企業、
協働組合、NPOなど様々な支援団体と取り組みがあると思います。

障害者など限定的に可能な形で働きながら最低賃金を受け取ったり
あるいは、障害の度合と仕事の内容に応じては
最低賃金を下回る金額を、別の名目で受け取る形もあると理解しています。
 
そのような取り組みをサポートするシステムとしても
全国的な雇用保証システムが使用できるのではないか、と思います。

大事なことは、社会と労働者の両方に有用な形で雇用自体を生み出し、
その雇用で、働き手と社会の両方の状況をよくすることだと思います。
望む人たち出来るだけ全てに、働ける場所を用意して社会で活躍してもらうことは、
本人にとっても社会の側にもメリットが大きいでしょう。

納得できる真に支え会う社会とは

働ける人がほぼ全て働いて金を稼ぎ、
納税し社会保険料を納める制度ですから、
もし、そのような制度においてすら財政が健全に運営できないならば、
原理的にどうやっても健全な財政運営はできないと思います。

お金は逃げていきませんので、どこかにはありますから
必要であれば、担税力のある層に無理なく課税すればよいです。
そうすれば財政破綻はあり得ないのではないかと思います。

無駄な橋を作ったり、システムの運用が利権化したり
というような運用面で堕落しないことが大切であり
国民経済を最大化するための投資ですので
それがペイしないということはないと思います。

雇用の最大限の創出を民間部門を優先して行うならば
・人不足の企業経営者
・税と社会保険料を回収する政府、自治体
・職を探している失業者や不安労働者
・人不足の負担を軽減したい官民、経営者から正規、非正規の労働者まで
広く国民全体ある程度ウィンウィン関係であり
納得できるフェアな妥協点としての政策にならないでしょうか。

ただ、これは「楽ではない」です。
例えば、ただ金を給付してもらえるとか
ただ法人税を下げて株主配当が増やしてもらえるとか
そういうただお金が入ってくる政策ではないですので
「みんなが」結構頑張らないといけません。

・働いてなかった人が働き始めたり
・今までとは違う業界での仕事を覚えて働いたり
・役所も管轄の壁を乗り越えて効率的なシステムづくりをしたり
・経営者は賃金が上がる中生産性を上げる経営努力をしたり
・政治家や官僚は、真に優先的に価値がある社会投資を議論し制度設計するなど
みな頑張らないといけないので大変なのですが
それはみんなが負担を分担して利益をシェアするので
その頑張りはそれほど悪いものではないと思います。

財政出動して完全雇用を目指す際の懸念の一つがインフレですが
しかし働ける人が全て働いて、貧困にならない程度の給料をもらい
働けない人も全て生活保護等でカバーされている状態でインフレが起きた時
その消費者物価上昇率にリンクして生活保護支給や年金支給、最低賃金など
社会で厳しい層の受給する生活費が上がるよう制度設定すれば
そのインフレはつまりただの経済成長と言えるでしょう。

一番頑張らないといけないのは
人件費カットとは別の経営努力を求められる経営者かもしれません。
市場に余剰労働力がある買い手市場なら、
人件費カットして、利益を上げたいのですが
それでは一番初めに見た今までの「現実」の形にもどってしまうでしょう。
その点は次の「生産性の最大化」の回でも一緒に考えてみたいと思います。

短期的なスキルの伸びない非正規雇用拡大による
スキル=生産性の低下、社会保障の制度の悪化
社会不安、社会分断、格差と少子化、といった
様々な外部不経済を最小化するメリットも考慮すれば
十分投資する価値がある妥協点ではないでしょうか。

まとめますと、この雇用保障と職業訓練プログラムのメリットは
供給力の最大化ですが
・すべての働ける人に働いてもらい支え合う社会を作る
・すべての労働者を取り残すことなく人材として育てる
・すべての労働者に社保完備することで年金、医療システムを安定的に持続させる
それらは、いわゆる稼ぎという経済的豊かさだけでなく、
安心感、労働を通じた自尊心、貧困根絶による国民の幸福に繋がる、
そのように考えます。

長く書いてきましたが、これは一つのアイデアです。
そんな机上の考え通りに物事が行かないこともわかりますが
しかし、ここまで徹底できなくても、概ねそのような方向性で、
人を出来るだけ多く訓練して雇用する制度を作るべきではないかと思います。

国民を誰一人残さず投資して育て続けるとともに
支援される側も可能な限り働いて社会貢献し
お互いに支え合う社会
そのような社会を断固として実現する覚悟を政府として示し
ただの願望ではなく具体的制度として示すことが
今政治に求められていることではないでしょうか。

移民

最後に、もし日本人による余剰労働力を最大限活用しても
なお労働力が足りなくなってきたら
外国人労働力(短期、長期、移民)を頼りにするか
あるいは生活レベルを落とすしかないでしょう。
もちろん、海外に業務委託するとか
ある程度は、色々な手法で対応できる部分もあるでしょう。

もし、外国人労働力や移民を必要性の面から考えるならば、
長期的には、少子化を克服できるかという事でもあり
少子化の社会的原因に以下のようなことが今あげられていると思います
・教育コストが高い
・雇用不安定(お金がないと結婚できない)
・保育サービスが足りない
・長時間労働

次の回で、教育の公費助成や長時間労働についても扱えたらと思いますが
今回の雇用保証制度によるセーフティネットを含めて
そういった少子化を対策にもなる政策を色々とった場合
「もし」少子化の主要因が、上記のようなことであるならば
それが解消されれば出生率が上昇する、という理屈になると思います。

実際はどうなのかは推測の域を出ないのですが
結果論として、そのような少子化対策も間に合わず
外国人労働力にさらに大きく頼る必要性がある場合
これはもう価値観の問題だと思いますけど
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、
外国人労働者も日本人が働かない低賃金で働いてもらうためではなく
日本人と同等の労働条件で働いてもらうのが人道にかなった形ではないかと思います。

社会全般の労働環境一般を悪化させないために
その方がいいのではないでしょうか。

中東とか外国人労働者を多く受け入れている国でも
劣悪な労働環境の問題が指摘されることがあります。
中には現代の奴隷、のような形で、売り買いされる
労働者が表現されることすらあります。
それは、私たちの多くが望む形ではないと思います。

最低賃金とか、そういった基本的な労働条件を
日本人と、外国人労働者で二重にするというのは
その方が問題が多く生じるのではないかという気がします。

さて、永住する、つまり移民という考えに対しては
日本は、抵抗のある方も多いのかもしれないと思います。
既に相当の外国人労働者が日本にいるわけですが
定住するということを考えた場合
文化が違うとか、色々な懸念を覚える方はいるでしょう。

逆にそういったことをそれほど気にしなかったり
たとえ、受け入れに関わる社会コストが色々あっても
それは必要なコストなので一つ一つ解決していけばいいと考えられるなら
移民というのは、基本的には、日本に人がやってきて
その人たちが日本人になってくれるということですので
悪いことではないと私は思います。

移民とは別の話ですが、先進国の責任として難民をもっと受け入れるべき
というよく指摘されることも、もっともな話だと思います。

さらに積極的にとらえるなら、その多様性は社会の力になります。
私はそう感じますが、色々な考え方、感じ方がありますので
それは政治的にそのような決定をする時には
しっかり国民に説明し、社会合意の下に準備して受け入れることが望ましいでしょう。
それでも反対する人はいるでしょうが、それはどんな政策でも同じです。

もし外国人労働者を社会の力とらえられるならば
人不足が悪化する前に積極的に受けいれても構わない理屈になりますが
しかし、その時に、初めに論じたように
まず、日本人の潜在的労働力を最大限活用する、それを妨げないようにする
そのことが大切だと思います。

それは単に労働力の供給という面だけでなく
社会保障から政治的、文化的な面も含めて、
社会の安定性と幸福のために、取り組むべきことだからです。

働きた人が働ける、誰も取り残さないという意思を、制度の形で示すことは
社会の分断を防ぐことにつながるでしょうから
政治はそれを優先すべきではないかと私は思います。

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この犯罪を知らない方は、周知活動のために運営しているこちらのサイト http://stopeh.org/wordpress/
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2011年5月に、長く続いていた異様な体調不良が電磁波攻撃によって引き起こされていること、数々の近隣住民による嫌がらせがガスライティングとよばれる一式の犯罪技術であることを知りました。犯罪被害の認識は、2011年5月ごろ、千葉県市川市の集合住宅での集中的な被害によってわかりましたが、その後に得た知識から今までの長く続いてきた症状と状況を分析して、被害が10数年前の大学在学時に始まったと理解しています。
被害が厳しく、市川市内で一度転居し、現在は多摩地区に避難しています。しかし昼夜問わず24時間相変わらず攻撃が続き、この卑劣な犯罪から逃れる方法がないらしい、ということがわかってきました。よって、この見えない巨大な敵と闘うより仕方が無く、犯罪の撲滅のために可能な方法を考えていこうというブログです。
問題解決のためには、法整備、警察、行政に対する圧力など、TI(ターゲッティド・インディビデュアル)と呼ばれる被害者の協力と行動だけでなく、非被害者である無数の一般の方々による認知と手助けが必要不可欠です。
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